霊視鑑定は灯かりの扉から

スピリチュアル霊視 『灯かりの扉』

陸でないひと 「ろくでなし」

更新日:

霊視鑑定をしていて「救えないな・・・」という方が、
残念ながら確かにいます。

そういう方を何と言っていいか言葉に詰まってしまうことも度々ですが、
何が最も適切なのかを考えながら辿り着いたのが、
「ろくでなし」です。

「ろくでなし」「ろくでなし」「ろくでなし」って連続で言ってみると、
越路吹雪さんのハスキーボイスの「ろくでなし」が頭の中によみがえります。

歌詞の全部を把握していないけれど、
あの「ろくでなし」のメロディには、
「だけど憎めないのよね・・・」
っていう想いが隠れている様に感じます。

「ろくでなし」って何だろう・・・。

言語そのものに違和感を覚え、
語源に関して調べてみると、

漢字では「碌でなし」と書くのですが、この「碌」という字は当て字で、
本来は「陸」だそうです。

陸というのは、私達が認識している陸そのものですが、平らという意味があります。
つまり「陸でない・・・」
平らではないというのが語源でした。

「ろくでなし」になった原因は様々ですが、
問題は本人が「ろくでなし」だと気付かないことにあります。

環境が人を変えることは事実かと思われますが、
こんな自分になったのは、あの時、あの人が、あんな事を・・・、
と責任転嫁する人にはまだ救いの可能性があります。

こんな自分・・・、という自覚があるからです。

しかしながら真の「ろくでなし」は、
自分が「まとも」であることが前提で、
挙句には「善人」だとさえ信じて疑いません。

何故そう信じて疑わないのか・・・、
得てしてこういう方は、特別なある時ある人に、
何らかの感情によっておびただしい労力を注ぎ、
労力と同等の愛情ある人間だと思い込んでいるからです。

 

友人達家族が泊まり掛けでやってくる日の朝です。
「オレ、風呂掃除したから」
元夫が言いました。強風に煽られてベランダの洗濯物が飛ばされそうな午後、
踏み台に上らないと届かないので、降ろして欲しいと頼むと、
「嫌だ」
元夫が外も見ずに言いました。

どちらも平常心の元夫です。

 

これが「陸でない」ということなのではないかと、
当時のことを思い出しています。

それから二年程で離婚したのですが、
「オレって、世界でいちばん優しい男だと思うよ」
お酒の席で元夫が言いました。

離婚をして夫婦ではなくなったからなのか、
それとも呆れきった向こう側に或る情なのか、
越路吹雪さんの「ろくでなし」のメロディーの様に、
ここまでくると「何だか憎めない」と感じたのです。

自覚のないことが大きな問題だと思ってきたけれど、
全く悪意の意識が伴わない言動や行動の究極は、
憎み切れない個性なのかも知れません。

勿論、洗濯物を取り込むといった程度のことに限ってですが・・・。

本日も最期までお読みくださって、ありがとうございました。

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