霊視鑑結果のメールの送信ボタンを押すときに、
深呼吸をひとつし「大丈夫よ」と呟きますが、
いつからなのか、どうしてやり始めたのか思い出せませんが、
言葉が「氣」となって届くようにとの思いからかも知れません。
「これでいい」、と思ったことは一度もなく、
「これでいいのだろうか」、の迷いや不安が常に付いて回ります。
それは、こうして霊視鑑定をさせて頂き、
十一年が過ぎる現在も、何一つ変わっていません。
自分が放つ言葉は少なからずご依頼者様に影響を及ぼすに違いない、
その責任を強く感じているからに他なりません。
私が霊視によって何を申し上げても、
その先の選択判断をされるのはご依頼者様自身ですが、
一度身体に入った言葉は、
意識や感情を左右することも事実です。
人の人生の選択に介入してしまうかもしれない…、
そのことの重責はどれほど月日を重ねても、
割り切れるどころか増すばかりで、
ご依頼者様から頂く「ありがとう」の裏側では、
著しい叱責や罵倒を浴びせられたこともあります。
どんなことにも胸を張って前を向き、
誹謗中傷には耳を貸さない ”スルーする力” が必要なことも学びましたし、
件数からすればたった3件ほどで、
割合にすれば1%にも満たないものですが、
言い知れない虚しさが込み上げて来るのも現実です。
昨年には何度もご依頼を受けていた方の、
精神的な異変に気付きながらも、
お引き受けした霊視の内容に忠実である選択をしたばかりに、
その方が暗闇の中に落ちていくことを食い止めることができませんでした。
「傷付くことばかり上手になってはならないのです」
変化していく彼女を食い止めようと言ったことが、
やはり危惧したように私への攻撃性として現れてから、
”良かれと思って” を止めたのです。
その後、彼女の精神的状態の悪化は一気に加速し、
どんな言葉も心には届かなくなってしまいました。
霊視鑑定を止めてしまおうかと、
初めて脳裏を過った出来事でした。
そんな折に、これまでのメールフォルダーを整理していて出てきた、
鑑定結果に関してのご感想の一通のメールがとても感慨深く、
掲載の許可を頂き、ここにご紹介をさせて頂きました。
■ご依頼者様からの霊視鑑定結果に関してのご感想■
*こちらは、2014年に頂戴したメールです。
上杉先生
その節は、霊視鑑定をしていただいて、本当にありがとうございました。
そして鑑定のお礼がこんなに遅くなってしまい、すみませんでした。
私は2010年の五月頃に鑑定をしてもらいました●●●●です。
先生に言われたことは、ほとんどそのまま当たっていました。
私の性格も、あの時の気持ちも、相手のことも、まるで見ているように当たっていたのに、
最後の先生のこうしたほうがいいですよ、っていうことは認めたくなくて、
先生がやめたほうがいいと言った結婚をしてしまいました。
結婚をした当時は、先生からの忠告も忘れ、鑑定をしてもらったことも忘れ、
月並みに幸せだと思っていましたが、一年もたたずに、旦那の嘘や裏切りを知って、
先生からの鑑定の結果を思い出しました。
でも結婚をしたばかりだったし、意地もあったし、やっぱり好きだったので、なんとか修復をしようと頑張ってきましたが、旦那のゴメンはその場限りのもので、それも嘘で、それを繰り返して、最後には逆ギレで暴力までふるわれ疲れ果てて、自分は何のためにここにいるのだろうと、夫との生活だけじゃなく、生きていることさえもわからなくなっていました。
救われたくて先生からのメールを、パソコンから探し、ようやく見つけてじっくり読みながら、涙がとまりませんでした。
そこには、まるで今の私を見ているように、書かれてあったからです。
>あなたは、感情に流されやすいご性格で、思考の何処かでは間違っていることを気付きながらも、勢いで物事を選択判断してしまわれる危惧がございます。
>あなたを思う、周りのどんな忠告や意見にも耳を貸さず、ご自身で実際に経験をされ、その痛みをお感じになりませんと、納得がいかないのだと思います。
>思考だけで、上手な人生の歩き方が苦手ならば、それもあなたの人生でございますが、もしこれは間違っている…、正しくない選択だったとお気付きになられた時には、無意味な意地を張ったり、気付かない振りをされずに、立ち止まり、ご自分の人生をやり直すことを、どうぞお忘れにならないでください。
>霊視鑑定結果は以上になりますが、今回の鑑定が今後のあなたの人生を更に豊かなものにされる切っ掛けになりますことを、心から願っております。
私はこの先生からの鑑定結果の何を読んでいたのだろうと、自分に腹が立ち、そして先生に対して、本当に失礼で申し訳ないことをしたと、後悔でいっぱいでした。
先生は結婚をお勧めできないと言いながらも、私が感情に走って結婚をすることを知ってたのだと思います。だからこそ、その後の私のためにこの言葉を言ってくれたのだと、今ならわかります。
少し遅かったかもしれませんが、自分の人生をやり直そうと思います。
四年も前にもらった鑑定結果に救われました。
上杉先生、本当にありがとうございました。
私のようなものにも、真剣に鑑定をして頂いたのに、その気持ちを感じることができなくて、本当にごめんなさい。
また道に迷うことがあったときには、鑑定をお願いしてもいいでしょうか。
●●●●
直ぐに言葉にできる「ありがとう」「ごめんなさい」もあれば、
何年もの月日が過ぎなければ言えない、
「ありがとう」「ごめんなさい」もあることを知りました。
…、と同時に、私は私の心で、これからもご依頼者様の苦悩と向き合っていく、
勇気と覚悟が持てた、一通のメールとの再会でした。
余計なことなのかもしれない…、と思いながらもお伝えしたことが、
歳月が過ぎご依頼者様のお役に立てたことを、
心から安堵したことを思い出させてくれました。
きっとこのご依頼者様も、霊視鑑定結果を受けとられた時には、
望ましくない結果に納得がいかず、
感想を書く気にもなれなかったのでしょうし、
噂程じゃない霊能者だと落胆したのかも知れません。
重苦しい問題や摩擦は即刻解決したいと誰もが思うことですし、
それが故に言葉を重ねてしまい、
事を厄介にさせてしまうことも多くありますが、
苦しい状況下の中にあっても、
自分にとっての真実(誠心誠意)であれば、
月日を重ねても伝わることがあるに違いありません。
自分が傷付くことを怖ずに、”余計なことかも知れない” を続けていたら、
彼女は光ある場所へと向きを変えることが出来たのだろうかと、
健康で健全だった頃の彼女の声を思い出しました。
”きっと大丈夫”
思い出されては、彼女を祈っているのです。
本日も最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。
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